|
評価:
ユアン・マクレガー,アルバート・フィニー,ビリー・クラダップ,ジェシカ・ラング,ヘレナ・ボナム=カーター,スティーブ・ブシェミ,ダニー・デビート,アリソン・ローマン,ティム・バートン,ダニエル・ウォレス
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
¥ 1,781
(2007-05-30)
|
「
チャーリーとチョコレート工場」のティム・バートン監督が、ユアン・マクレガー主演で描いた一人の男の人生のドラマ。
ファンタジーと紹介されていたりするのですが、これはファンタジーに分類されるものなのでしょうか。
内容としては、結婚式に金の指輪に食いついた巨大な魚の話を披露した父エドワードに不満を持った息子が、3年間口をきかなくなったことから始まります。
その後病状が悪化し、死期が迫った父が、帰郷した息子に語り聞かせる奇想天外な人生の回想を追体験していくことがメインの話です。
死を見る眼を持つ魔女、5メートルもの巨人、緑豊かな幻の街。
運命の女性と出会った瞬間は本当に時間が止まり、サーカスで働きながら憧れの女性の情報を一ヵ月に一つ教えてもらい、一面黄スイセンの花畑で愛の告白をする…等々。
それぞれのエピソードは独特のユーモアがあり楽しいだけでなく映像的にも美しいので、絵本でも見ているような感覚で観ることができます。
若き日の父エドワードを演じるユアンも真っ直ぐな瞳をした青年として好演しています。
その若き日の冒険譚があまりに現実離れしていて荒唐無稽にも思えるからファンタジーと呼ばれるのかも知れません。
息子もそんな何度も聞かされた父の話を作り話だと否定し続けます。
父エドワードは「自分の死に方を知っている」と冒頭から告げており、どんな死を迎えるのかと本人以外誰も分からないまま話が進むのですが、ラストは親子の絆で結ばれ、幸福に満ち溢れた感動的な結末を迎えます。
こう書くと平凡でつまらないものになってしまうのですが、不覚にも私はこのラストに泣かされてしまいました。
感動作と言われる作品でも大抵泣かない私が泣いたということは自分の中でかなり大きな意味を持ちます。
そう言えば以前レビューした「
海辺の家」も父子の絆と死を描いた作品ですが、対比させると面白いかも知れません。
死生観を描いた映画は数あれど、これほど素敵で幸福に描いた映画は滅多にないと思います。
話の構成としてはシンプルなので、よくも悪くも単調で好みが分かれる作品かも知れません。
私も途中はちょっと中だるみっぽくなってしまったのですが、最後はどうやらティム・バートン監督にしてやられたようです。
心温まるピュアな話を求めている人にオススメしたい作品です。
▲オタクブログ集結!押して下さると励みになります。