スターウォーズ/ジェダイクエスト(1)冒険のはじまり
ジュード・ワトソン
先日こちらで話題にして騒いでいたジェダイクエスト(以下JQ)の「(1)冒険のはじまり」と「(2)師弟のきずな」が届きました。
早速開封して読み始めましたが、さすがジュニアノベル、文字も大きくスイスイ読んでしまいました。
私くらいにはこのくらいでちょうどいいかも知れません。
他のノベライズだとSF小説特有の固有名詞で躓いてしまったりするものですから。
平易な文体ながら登場人物の心理描写もしっかり描かれていて展開もテンポよく飽きさせせない。
決して子どもだましな内容ではありません。
SF小説はちょっと…と尻込みしている方にもこれは読みやすくて面白いのでオススメですよ。
さて、このお話は前回も触れたように14歳のジェダイ・パダワンのアナキンの冒険の物語です。
主人公はご存知、フォースの予言の子アナキンなのですが彼は抜きん出た能力を持っている為か心を許せる友達がおらず、マスターのオビ=ワンもその事を心配しています。
おまけにこの頃も規則破りなところは健在で冒頭から下層部にドロイドの部品探しに行っています。
あっ――電子回路だ、ほとんど無傷じゃないか。
おっ、ここにはハイドロスパナの部品がある。
あれは、モチヴェーター基盤じゃないのか?
こんな具合に夜な夜な部品漁りするのです。
アナキンって今の日本に実在していたら絶対秋葉を徘徊していますよね…
この場面、自作PCのパーツ探しに奔走するオタにしか見えないのですが。
Aボーイアナキン…普通に溶け込んでそうだ。
顔はヘイデンなのにもったいない(笑)
そんなところに廃品をめぐって凶暴なマイナコンと争い勃発!
と思いきや仲間のトゥルーと遭遇。
このトゥルーがなかなかいい味出したキャラでメカにも詳しくて今回アナキンの一番の理解者で共に行動する友人になるキャラなのです。
見た目(表紙参照)私たち普通の人間と変わらないようなんですが、かなり柔軟な身体しています。
今回のお気に入りキャラの一人v
その後トラブルに巻き込まれつつ無事聖堂に戻ったアナキンに評議会から召集がかけられ、オビアナ師弟他三組の師弟が集い共同任務の指令が出ます。
メンバーはオビ=ワン&アナキン、シーリ&フェラス、ライ&トゥルー、ソアラ&ダナ。
皆個性的なキャラですが、マスター側はシーリが一番キャラ立っています。
ブロンドの髪を短く刈り込んで身体にぴったり合ったレザーのユニスーツを着ているというのがうまく想像できないのですが、登場シーンでいきなり遅刻してきてメイスに睨まれても謝ることもない大物で操縦の腕も優れているという、どっちかというとアナキン寄りなキャラです。
オビ=ワンとは旧知の仲で今回もやたら絆を強調されたりするのですがこの二人、友情以上の線をいっているという噂が…
一方パダワンチームは先述のトゥルーから優等生のフェラス、どこにでもいそうな元気な女の子のダラにアナキンという顔ぶれ。
私はパダワンの彼らのやり取り大好きです。
アナキンとフェラスは期待を裏切らずいい感じにどつき合ってくれています。
フェラスはアナキンより二、三歳上でその分背も高いのもツボでした。
くそっ、こんなに背が高くなきゃいいのに――アナキンは思った。
この記述、やきもきしているアナキンが目に浮かぶようで正直萌えました。笑
EP3での185cmのアナキンや2m超えるヴェイダー卿が過去にこんな悪態を吐いているとは〜。
任務先でも二人の意見は一致することがなく口論になってばかりです。
基本的にフェラスの方が大人の対応で褒められていたりするのでそこが余計アナキンは気に入らなかったり。
「あいつが悪いんだ!」
アナキンとフェラスは、同時に相手を非難した。
息ぴったりで衝突しています。
また、フェラスはこの後のスピンオフでも登場する為か、最後には伏線らしき会話も交わされています。
「あの人は偉大なジェダイ騎士だ。でも、おまえのことになると、おまえを育ててきた特別な感情が先に立って、おまえをちゃんと見ることができないんだ。
ぼくには見えるぞ。ぼくは見続ける。ずっとおまえをしっかり見ているからな、アナキン・スカイウォーカー」
アナキンはフェラスを押し倒したい衝動を抑え胸中で零します。
――ぼくもおまえのことを見続けるからな、フェラス。そして、もしぼくたちが戦うことになったら、勝つのはこのぼくだ。
何だか
ホモくさいような不穏さが漂うような締め方ですよね。
今回の任務でマスターチームとパダワンチームで別行動になってしまうのですが、
離れて行動する間、アナキンを信じようとするオビ=ワンの複雑な心境も描かれています。
この人ほど心配が似合う人はいない。笑
本筋に関してはネタバレになるので触れませんが、マスター側とパダワン側で交互に話が展開して息もつかせず読ませてくれます。
久々に小説を一気読みしました。
アナキンファンはもちろん、友情ものや師弟ものがお好きな方は是非!
「(2)師弟のきずな」を読了しましたらまたレビューをしたいと思います。