えっ、まだ観てなかったの!?
と思われそうですが、ようやく観れたのです。
何故今まで観られなかったのかと言うと、先に観て来た人に
「つまんない、テンポ最悪、予告と違う」
なとど言われ、
そおいう事を先に言うなよ…_| ̄|○
と観に行く気が萎えて今まで観たいけど観たくないという状態でいたのでした。
それで実際に観て来た感想はと言えば、言われていたほどひどいとは思わなかったですが、何故つまんないと言われたのかも解った気がします。
この映画、一言で言うとキャラの魅力が活かしきれないシナリオ構成だと思います。
キャラ自体の役作りはなかなか魅力的なのですが、彼ら一人一人の物語を追い切れていないからどうしても中途半端で説明不足な点が否めないのです。
映画を観る前は、ランスロットやトリスタンの活躍に期待していたのですが、彼ら二人どちらの結末もしっかり描かれていない。
ランスロットはある意味アーサー以上に活躍して目立っていたのですが、(ビジュアル的に彼の方がインパクトがある)最後はあっけなく死んでしまうので冒頭の少年時代のランスロットのシークエンスが伏線として結びつかずに終わってしまっています。
原作と違えて敢えてあそこで彼が散る意味合いが薄くなるように思います。
トリスタンに至ってはまともに喋ったことすら殆どなかったのでは。。。
「真ん中を狙えばいい」と「自由にしてやるぞ」くらいしか憶えていない(笑)
それはそういうキャラでよしとして、セルディックとの対決でいつの間にか殺されていたような。
ランスロットの方はアーサーとグヴィネヴィアで騒いでいたのに、トリスタンはお弔いも省略されていたような。
鷹が戻って来て主の窮地を救うのかと思ったらそのままだったし(笑)
不憫だ…、あまりに不憫だ鳥スタン……!
パンフで見る彼は角度によってアラゴルンに似た雰囲気を醸し出しています。
アーサー王の物語すべてを詰め込むのは無理な注文ですが、英国人ほどにアーサー王伝説に馴染みのない日本人としては首を傾げる部分はやはり多かったです。
魔法使いのマーリンはあれじゃ単なる野蛮人にしか見えない。。。
それは魔法や神秘的な描写はなしにして史実のように語りたかったという監督の意向が表れているのかも知れませんが、サクソン人との闘いではウォードが放った岩石が何故か爆発していたりと割とあり得ないことも起きていたのは魔法の一環と考えてもいいのでしょうか。
エクスカリバーに纏わる話も本当はマーリンが関与しているようですが、
映画版のアーサーがエクスカリバーを父の墓前で抜くというアレンジは個人的に好きです。
あと〆のシーンも。あれは多分、英国の劇やら学芸会やらで行われてきた王道のパターンなのではないでしょうか。
シックス・センスを観たときもあの台詞でシメていたなーと思い出しながら観ていました。
あと、この映画は衣装や武器、戦闘シーンなどの随所に東洋の匂いがしたのですが、やはり監督は「七人の侍」に影響を受けていたようですね。
円卓の騎士がアーサーの元に駆けつけてサクソン人との戦に向かうシーンなんかは「七人の侍」っぽいなーと何となく思っていたのですが、本当に意識されていたという事です。
トリスタンの武器も両刃ではなかったようですし、ダゴネットに至っては「ラスト・サムライ」まんまだったと連れも言っておりました(笑)
でも武器に関しては、ランスロットの短剣二刀流が一番好きかも。
そんな随所に好きな部分もあるわけで、私としては総合的にこの映画は最近観た映画の中で比較的好きな部類に入るのですが、キャラに感情移入し切れなかったのでフェイバリットに入れるほどにはハマれない、何とも微妙な位置を占めているのが現状です。
まぁ要するに、この映画を楽しむ為には
原作を読めってことでしょうかね。
指輪を皮切りにエピックものが大流行している現在ですが、個人的に指輪を超える完成度の高い映画は今後現れないかも知れないと今は思っています。
因みに私はまだCEの王の帰還DVDは観ておらずSEEのDVD待ちです。
レビュいつ完成するんだろうと他人事のように思っています…(遠い目)